2018年7月27日金曜日

インドインターン日誌④

さてシリーズ化していたインドインターン日誌も今回で最終回にしようと思います。今回はインド人との仕事について書きたいと思います。

チームメンバー
僕はいま海外進出チームにいて、基本ボス一人と他のインターン生と一緒に働いています。インターンはアメリカから2人(アメリカ人と僕)、シンガポールから2人(インド人)、ロンドンから1人(インド人)で僕以外はみんな英語ネイティブです(僕の定義ではインド人はアクセントのある英語ネイティブです)。

因みに直属のボスはアマゾンインドの立ち上げメンバー→グーグルインド→グーグルUAEというキラキラテック系キャリアの持ち主で、頭の回転がめちゃ早くて、早口で、英語たまに何言ってるのかわかりません(最近大分慣れましたが)。


仕事
海外進出の初期段階なので、市場調査が主な仕事です。ここの国のeCommerceマーケット調べて〜みたいな感じで仕事が降ってきて、それをチーム内で分担する感じです。

インターン生はみんなMBA生なので、仕事自体はMBAのグループワークとほとんど変わらないというのが印象です。お題がボスから与えられた後、ワラワラみんなが集まって、なんとなく役割分担が始まって、よーいドンという感じ。

1時間に1回ぐらいインターン生でワラワラ集まって、雑談半分のディスカッション半分で話して、また個人ワークに戻るというような感じです。2日に1回ぐらいボスが思いついたように、ミーティングを招集して、あれやこれや指示して、1日が過ぎるというような感じです。

結構すごいなと思うのは、これでもちゃんと回っているところですね。

中々慣れないのは、隔週で土曜日に仕事がある事。インドで土曜日に仕事があるのは、一部の外資系企業を除いて珍しくはないようなのですが、僕は慣れませんね。土日使って旅行行きたいです。

職場の雰囲気
よく言えば明るい、別の言い方をすればゆるいですね。個人的に好きなところは服装が自由なところで、基本僕は(というかみんな)Tシャツ・チノパンですね。オフィス内に卓球台があって、昼休み以降は必ず誰かしらやってますね。お前仕事やってんのかっていうぐらい入り浸ってる人もいます。

みんな来るのはめちゃめちゃ遅くて、アベレージ10時半ぐらいで、大体10-11時ぐらいに9割ぐらいの人がきます。だからと言って夜が遅いかと言うと、大体19時頃にはほとんどの人が帰ってます。

ただ、僕はインターンだし、周りもマーケティングとかHRの方なのですが、恐らく例外はプロダクトディベロップメントチームで、(たまにですが)朝の2時とか4時にメール来てたりします。フロアが違うのであんまりよくわかりませんが。

ゆるいとは書きましたが、僕が思っていた以上にはみんな働いていて、実際周りのインド人はそれなりの方だと思っています。大体修士(MBA含め)以上を持ってる人は多い(というかほとんどかな)ですね。

ちなみに日本と違って、インドでは修士をとる人が多すぎて、コモディティーになってるようです。なので、修士を取っても差別化にもならず、結構就活大変みたいですね。


食事
いい意味で予想を裏切られてます。飯はうまい!昼はローカルデリバリーを頼んでますが、何を頼んでも大体うまいし、腹も壊さない。僕は多分アジアの香辛料を色々使う料理が舌にあっているようです。

インドは色々ごはんをシェアする文化があるのか、自分で作ってきた物を、ほぼ毎日のように周りの人にも配ってます。基本大丈夫なのですが、たまに生のマンゴーとかを渡される時は、かなりドキドキしながら食べてます。

他にも日本食とか中華のレストランに行きますが、結構クオリティ高いですね。もちろん、それなりに値段が行く場合もありますが。


住居
住居はピンキリだと思いますが、僕は(自分で言うのもアレですが)ピン(ピンが上ですよね!?)のところに住んでます。

日本で言うといわゆるタワマンみたいなところで、高層ビル(といっても20階あるかないかぐらいです)の集合体の一棟の一室に住んでますが、敷地内にはプールも、ジムも、体育館等もあり、まじ快適です。治安も良いですし、周りの人も余裕がある風貌です。


なんかつらつらと書きましたが、仕事はめちゃめちゃ楽しいです。というか、生活全般めちゃ楽しいです。多分、グルガオンが僕には合っているようで、町自体が新しいので、都市計画が他の町に比べるとマシで、渋滞は少なく、飲み屋街もいくつかあり、余計なことさえしなければ治安も悪いと思ったことはありません。また外国人向けのモールとかスーパーもあり、お金さえ払えば、大抵のものは手に入ります。

週1回ぐらいリキシャの運ちゃんと揉めますが、それも日本円で言うと30円多く払うかどうかの口論という感じです(僕は30円でも譲りませんが笑)。しかもそれは、流しのリキシャを捕まえた時だけで、UberとかOla(Uberのインド版)とかを使えば、揉めたことはありません。

合う人と合わない人がいるといいますが、僕は合ってますね。少なくとも10年前に比べたらだいぶ暮らしやすくなってると思います。

政治や社会慣習がクリアでなかったり複雑だったりしますが、総合的にはかなりポテンシャルのある国だと僕は思ってます。

まあ大体こんな感じです。とりあえず、今回でシリーズは終了したいと思いますが、また不定期にインド生活と仕事についてアップしてきたいと思います!

2018年7月26日木曜日

インドインターン日誌③

前回・前々回と会社のサービスについて書いてきましたが、今回も引き続きサービス及びインドの自動車産業を取り巻く環境について書いていきたいと思います。


1. インドの自動車業界
現在のインドの自動車産業は2,250億ドル(約25兆円)程度の規模と言われ、その内、オンラインは10億ドル(約1,100億円)程度と言われています。

既に、マーケットとしては巨大ですが、2022年までには3,500億ドル(約40兆円)となり、その内、オンラインによる取引は200億ドル(約2.2兆円)程度になると言われています。現在日本は世界第3位の自動車大国ですが、その日本を2018年から2019年の間には抜かすであろうと言われています。

少し古い情報ですが、2014年の段階では、インドの1世帯辺りの自動車保有率は6%程度で、日本の80%超と比較しても、まだまだ今後も伸びしろが多いという事がわかると思います。

その中で、マーケットリーダーとなっているのはMARUTI SUZUKI。インド政府とスズキで1981年に創業された合弁会社(スズキのこ会社)で、現在インドで約50%のシェアを持っております。トヨタがインド販路開拓のために、このマルチスズキと提携したのは、記憶に新しいかと思います。


2. インドの中古車eCommerce業界とDroom
話はeCommerce業界に戻りますが、この業界における重要な指標としてGMV(Gross Merchandise Volume)があります。Ecommerce サイトでは売り上げよりも、こちらで規模を表すことが多いです。

これは、例えば、100円の本を10冊eCommerceサイトで購入した場合のGMVは1,000円となります。市場規模もこの指標で計られているようで、DroomはGMVが年間約770億円(7億ドル)程度となります。

現在の中古車オンラインマーケットプレイスの市場規模が10億ドル(上述)なので、Droomは約70%のシェアを持っているという計算になります。


3. 中古車オンラインマーケットプレイスのプレーヤー
今後の成長が期待されているDroomですが、もちろん競合他社もいます。競合他社は大きく1. Online classifieds ads、2. Online discovery and content platformに分類分けされます。

1. Online classifieds ads
多様な商品が掲載されているマーケットプレイスです。通常、売り手も買い手も売買手数料や広告料がかからず、CtoCで自由に売買が行えます。特徴としては、掲載されている商品が多岐に渡り、アクセス数が高いところになります。

アメリカであればcragslistがそれにあたるかと思います。インドではOLXやQuikrが該当します。

2. Online discovery and content platform
通常のコンテンツサイトで、中古車検索サイトのようなイメージです。特徴としては、特定の商品に特化しており、掲載するのにお金がかかる場合もあります。Online classifieds adsに比べて検索機能が通常充実しています。

インドにおける中古車のOnline discovery and content platformはCar24、Trubill、 Credr、Spinny、Carwale、 CarDekho、CarTrade、Gaadi.com、Zigwheel等があります。

これらの会社は似たようなサービスを提供していますが、顧客ターゲットやアプローチは異なります。

例えば、Car24はCtoBのビジネスしか持っておらず、しかも在庫を抱えるビジネスモデルとなっております。DroomがBtoC, BtoB, CtoB, CtoCの全てのマーケットプレイスを持っており、在庫を抱えないビジネスモデルであることを考えると、一概に競合他社として比較するのは難しいかもしれません。


今回は短めですが、ここまでとしたいと思います。次回は最終回で、オフィスの雰囲気やインド人との仕事について書きたいと思います。

2018年7月20日金曜日

インドインターン日誌②

前回に引き続き今回もプロダクト・サービスを見ていきたいと思います。前回はエコシステムサービスを見ていきましたが、今回はオンライン上のマーケットプレイスがどのような仕組みになっているかを説明していきたいと思います(以下図参照)。


マーケットプレイスはその名の通り、個人・法人が中古車売買を行うオンライン上の市場です。DroomのプラットフォームにはBtoC, BtoB, CtoB, CtoC(Bは法人、Cは個人)の取引全てが存在しています。

ここではマーケットプレイスが提供をしている基本的な機能を紹介していきたいと思います。


1. 値段はどうやって決めるの?
物の売買では、誰かが値段を決めなければなりません。値段の決め方は3通り(Best Offer, Fixed Offer, Auction)あります。

Fixed offer
一番ポピュラーで、Droomとしてもお勧めする方法です。売り手が定価を設定し、販売する方法です。

Best offer
売り手が中古車を掲載した後に、売り手と買い手が価格を交渉できます。買い手は5回まで価格を提示でき、合意ができたら、取引成立となります。

Auction
ある日時にオークションがスタートして、Droomが設定した最低保証価格からスタートし、買い手が金額を提示していきます。提示された金額の中で、一番高い金額を提示した買い手に購入権が与えられます。尚、最高価格に関してもDroomにて予め定められています。


2. なんか難しそう
値段の決め方とか(売り手、買い手共に)商品の掲載とか難しそうですよね。Droom Assistはそんなお客様をサポートする機能です。メール、電話等でDroomマーケットプレイスの全てのことをこちらで確認することができます。

これまでのブログでは中古車の話をしていますが、Droomのマーケットプレイスはバイクを始め、飛行機・船等の様々な乗り物の売買をすることができます。

中古車は馴染みがあるけど、船はわからない事が多いと行った場合には、こちらのサービスによりサポートいたします。もちろん無料です。


3. 信頼はどのように担保されているの?
幾つかの方法で信頼を確保していますが、その内のひとつとして、Full Circle Trust Scoreがあります。掲載されている車の情報がどれほど信頼できるかを示す指標で、4つの指標(Pricing score, Seller score, Health score, Transparency score)から成り立っています。

Pricing score
売り手が提示している金額にどの程度信頼を置けるかを測るものです。基本的には、売り手が入力をした値段に関する情報を元に測定されます。また、以前記載をしたOBV (Orange Book Value) と連動もしています。

Seller score
売主を様々な角度から評価をした指標です。評価の方法としては、顧客からのレビューや政府登録のある売主か、等の情報を元に売主の信頼度を測定します。

Health score
車のメンテナンス状況を測定するもので、車検のレポートがついてるかどうか等から判断されます。

Transparancey score
各情報が信頼に足るものかを示すもので、車のヒストリーレポート(事故歴とかが記載されているレポート)の有無、写真・ビデオの数等で判断されます。

こちらもBasic reportとPremium reportがあり、Basic reportは上記4項目の総合点、Premium reportはすべてのチェック項目の点数が把握できます。





4. 手数料はかからないの?
手数料としては売値の2-3%を車の購入予定者がDroomに前金として支払います。但し、その中には車の登記変更に必要な書類の準備等も含まれているため(Droomが購入者にかわって準備をしている)、実質的なDroomの手数料は1%前後となります。

残りの97%-98%は購入者と販売者が車の引き渡しの際に支払います。もし万一、前金手数料を支払った後に商談が破談した場合にも、前金は100%返金されます。

またこの前金の中には、(車によって)保険代も含まれている場合もあります。この保険には、購入後6ヶ月間の期限付きで最大5百万ルピー(850万円程度)まで、故障の修理が保証されるというものです。もちろん、車によって故障箇所が制限されていたりします。

これらのサービスはBuyer Protectionと呼ばれ、Droomの一つのサービスラインです。


大まかなサービスの説明は以上です。

オフィスはベンチャー企業らしく、CEOや各マネジメントチームとの距離が近く、非常に開放的です。写真からもわかるように、Tシャツ + ジーパンとかでも全然OKです。必要以上に気を使わなくて良いのが良いですね。


マネジメントチームとのウェルカムミーティング。楽しくやってます。

2018年7月16日月曜日

インドインターン日誌①

インターンが始まって数日が経ちました。幸いお腹も壊さずやってます。

さて、早速インターン先は中古車のプラットフォームビジネスについて書いていきたいと思います。

以前のブログでも書きましたが、私が働いているDroomという会社は中古車のオンラインマーケットプレイスを運営しています。簡単に言うと、メルカリの中古車特化版のようなものです。

もちろん、そのマーケットプレイスには顧客が安心して中古車の売買ができるよう、色々な仕掛け(プロダクト・サービス)があります。メジャーなものから一つ一つ見ていきたいと思います。


1. Orange Book Value (OBV)
中古車の適正価格を調べるためのツールです。車種、製造年、走行距離等を入れると適正価格が出てきます。また車の各構成要素(エンジン、ブレーキ、ステアリング等)の 状態を入力すると、さらに正確な適正価格を知ることができます。これらは全て無料で利用できます。

また、さらに詳しい情報を有料で購入することもできます。それらの情報には、過去のそ売り手の情報、過去の売買成立価格、3年後までの予想償却額(3年間でどの程度価値が下がっていくか)等が含まれています。

アメリカではCargurusという会社が中古車の適正価格算定システムを提供しています。


2. Droom History
自動車の登録ナンバーを入力すると、自動車の過去の情報を閲覧できます。こちらも車の基本情報は無料で閲覧することができますが、多くの情報は有料となります。それぞれのレポートで閲覧できる情報は以下の通りです。

無料レポート
製造年、走行距離、洪水による損害歴等

有料レポート(ゴールド、150円程度)
無料レポート + 車の登録情報(エンジン情報等)、盗難歴及びその情報、担保情報等

有料レポート(プラチナ、500円程度)
ゴールドレポート + 過去の所有者の人数、現所有者の基本情報、(ローンがある場合には)ローンの商品名、保険の商品名等

アメリカではカーファックスという会社が同様の情報を提供しています。


3. ECO
車の購入者が、車を購入する前に購入予定の車の機能、外装、性能等を確認できる機能です。Droomと契約を結んだ独立請負人が、専用の機械を使って121箇所のチェック項目を10段階評価で確認し、そのレポートを購入予定者に送付します。OBVと連携して、ECOで得た情報を元に、市場の適正価格もわかります。

こちらもBasic reportとPremium reportの2種類があります。それぞれ900円、1,700円程度となっています。

Basic report(900円程度)
各セグメント(内装、外装、ホイール等)のスコア、車両の写真、主要な情報(事故歴、これまでの所有者の数等)

Premium report(1,700円程度)
全121チェック項目のスコア、故障部品を交換した際の追加費用、OBVと連携した市場の適正価格等


4. Droom Credit
中古車ローンの購入システムです。オンラインで全てが完結するシステムで、ローン獲得に必要な基本情報を入力後、30秒で審査が下るというものです。

Droom自体が金融商品を持っているわけではなく、各金融機関の商品から最も最適なものを選択できるというものです。

特徴①シームレスなローン購入
Droom creditでは車の選択→ローンの選択→ローンの実行をシームレスに一つのプラットフォームで行うことができるというところです。通常、車の選択、ローンの選択、ローンの実行は、それぞれ別のウェブサイトで行います。中古車オンラインウェブサイトで車の選択をした後に、金融機関のウェブサイトでローンの選択を行い、ローン実行という流れです。
Droom creditは、これらを全て一つのプラットフォームで行えるので、車の情報が瞬時にローン選択に反映され、ローン実行に繋がります。これらの3つのプロセスを一つのプラットフォームでシームレスに行えることが、特徴の一つです。

特徴②ペーパーレス
ローンの実行も、紙の書類のやりとりは一切なく、e-Signature(電子署名)で行われます。パソコンの画面上に、サイン画面が出てきて、そこにサインをすれば、貸し手と借り手の契約が締結されます。アメリカではe-Signatureは銀行や不動産の取引でも割と普通ですが、日本ではまだあまり普及していないかと思っています。


5. Droom Discovery
ウェブサイトに掲載されている車の検索サイトです。金額や車種から選べることができるのはもちろん、専門家のレビュー等からの検索もできます。また所有の車の燃費の検索や、教習所情報、DIYに関する情報、自動車関連ニュースも載せています。


以上が、Droomのエコシステムサービスというものです。エコシステムという名が付いている通り、これらのサービスはお互いの長所・短所を補完しあって、5つのサービスラインが揃って初めて一つのサービスが提供できています。

エコシステムとセクシーな言葉がついていますが、もっとわかりやすい言葉で言えば、顧客のニーズに基づいたワンストップサービス/トータルソリューションサービスといったところです。

話は少し変わりますが、以前に働いていた香港の会社も日系企業の海外進出支援を行っており、最初のサービスは会計代行・監査のサービスだけでした。

しかし、お客さんに接していく中で、会計だけでは香港に進出してきた企業の全てのニーズを満たすことができないということがわかってきます。そこで、ビザを含めた労務、M&A、弁護士事務所との提携等と業務を拡大していき、香港進出をトータルでサポートするコンサルティング会社になりました。私が勤めていたPwCをはじめとしたBig 4系のコンサルティング会社も同様の変遷ではないでしょうか。

Droomの場合も同様に、最初はシンプルなソリューションから始まりました。そこから、中古車売買の各プレーヤーのニーズを満たすために、様々なサービスが追加されていきました。

私見ですが、Droomの場合、創業当初より中古車売買に関するエコシステム/トータルソリューションを提供するというビジョンがある程度確固なものとしてあったかと思います。それが、各サービスの展開の速さと、会社の成長速度に現れているかと思います。

上記の各サービスのスタート時期は以下の通りです。

2016年3月:ECO
2016年8月:OBV
2016年12月:Droom History
2017年4月:Droom Credit
2017年10月:Droom Discovery

わずか1年7ヶ月の間にこれらのサービスを次々とローンチして、エコシステム/トータルソリューションを提供できているのは、当初よりある程度アイデアがなければできなかったことかと思っています。

そして、2018年5月に豊田通商をはじめとしたVC連合から出資を受け、いよいよこれらのソリューションを海外に展開していこうというフェーズです。

長くなりました。次回はデータの収集方法や海外展開、また一つ一つのプロダクトのより深い理解を業務中には行っているので、その辺りについて書ければと思います。あとインドの生活や観光も書いていきたいと思います。

オフィスの入り口。おばあちゃんの家の入り口のようです。


建物古いです。今年綺麗なところに引っ越すようです。


2018年6月27日水曜日

ボストンで自動車関連で困ったときには!

6月は比較的時間があるので、やらなくちゃいけない事を色々始めてます。
その中で、ファミリービジネス関連でカー用品店の調査がありまして、早速色々店舗等を回ってます。正直こちらの業界に興味ある方はほとんどいないと思うので、ボストンで車関連に困った時はどうすれば良い?という悩みに答えられるような内容にしていきたいと思います。もしご質問等あればぜひお願いします!!


1. ディーラー
アメリカでは自動車のトラブルが起きた時に一番安定感があるのがディーラーかとおもいます(その分少し高くつきます)。基本的な車の購入に加えて、基本的なメンテナンスメニュー及び車検は取り揃えています(洗車はないと思います)。

アメリカの場合、ディーラーショップはメーカーと関係の薄い個人が運営していることも多く、個人が複数のメーカーのディーラーショップ(例えば、トヨタとホンダ)を持っている事もあるらしいですね。日本だったら考えられないことですが、会社に対するロイヤリティーの違いでしょうか。

僕は、2013年製トヨタカローラにのってまして、行きつけのディーラーは9号線沿いのToyota Wellesleyです。一度、タイヤの空気圧ランプが点灯(アメリカではタイヤの空気圧に異常があった場合のアラームは標準装備となっている。日本でいうTPMS。)したのでチェックをしてもらいにいきました。

その際、空気圧が低くなっているだけだったので、それ自体はタダでやってもらいましたが、ブレーキパッドがすり減ってるとかタイヤがすり減ってるとか色々言われて、結局ブレーキパッドの修理だけお願いしました。確か$60ぐらいだったと思います。

全体として雰囲気は明るく、待合室も充実してます(コーヒー飲み放題です)。スタッフも親切で店も広いので、その点評価は高いですが、(何回も言いますが、)少し高いです。


2. カー用品店
全米で有名なAdvance auto partsとAuto zoneに行ってきました。日本でも似たような感じですが、カー用品店は決してダウンタウンエリアにはなく、少し街の中心から外れたところにあります。ボストンの場合、AllstonやWatertownに多くあります。

僕は、AllstonのAdvance auto partsとWatertownのAuto zoneに行ってきました。どちらも品揃え及び店舗の作りも似たような感じで、平屋で、入り口に入ったら店内が簡単に一望できる程度の大きさです。

品揃えは普通で、基本的なメンテナンス用具や洗車用具とか工具とかは揃いますが、オーディオ類とかタイヤ・ホイールとかはほとんどありませんでした(オーディオはオーディオ屋、タイヤはタイヤ屋で購入するようです)。

入り口入った場所にはワイパーがあったり、ワックスがあったり、店内もDIY向けの商品が多かったりと、とかなり玄人向けの店舗作りだなーと思いました。店内も若い女性が行くような明るい雰囲気はありませんで、正直用がなければくるようなところではないかと思います。




3. 洗車
ボストンは街自体が非常に整備されているため、それほど砂埃が舞ったりすることはありませんが、そうはいっても車は汚れます。なので洗車が必要なのですが、オートバックスのようなワンストップショップはないので、洗車場に行きます(ガソリンスタンドにもある場合もあります)。

僕はAllstonにあるローカルの洗車場に行ってきました。$50弱で車内清掃、洗車、ワックス掛けをやってくれました。クオリティーは正直微妙です。ワックスとか本当にやったのか?と思うぐらいツヤは出ておらず、車内清掃も10分弱程度の簡単なものでした。

僕が行ったお店の他に、最近ScrubaDubという洗車屋がチェーン展開をしているようなので、今度はこちらに行ってまたレポートを書きたいと思います。



4. タイヤ交換
ディーラー以外では、タイヤ交換も基本タイヤ屋でやります。僕はNational Tire & Battery (NTB) と Firestoneに行ってきました。一度だけタイヤに亀裂が入ったので、タイヤ交換を行いましたが、その際は1本あたり$160ぐらい(工賃込み)だったと思います。

僕の場合、ネットで予約を入れて、来店し、数時間後に電話がかかってきて、交換の必要有無について説明をしてくれました。NTBは、あまり押し付けがましくなくて、最低限必要な箇所の交換のみを指摘してくれたのでよかったです。ちなみに、空気圧チェック及び空気入れは無料でやってくれます。

5. 修理屋
Allstonなどには町工場のような小さな修理屋が多数あります。おそらく、電気系や内燃機関の修理等をやっていると思うのですが、まだ行ったことがないです。今度行ったらレポートしたいと思います。



6. ガソリンスタンド
以外と便利なのがガソリンスタンド。日本のガソリンスタンドと全く変わりませんが、MA州の場合、こちらで車検更新ができます。車検証を持って行き、その場で手続き。20分ぐらいで終わるという非常に簡易的なもので、本当にチェックしたのか?と思いますが、$35程度なので、コスパは良いと思います。


全体的に勢いのある業界ではないので、ディーラー以外は雰囲気は暗く、あまり積極的に行きたいとは思わない店作りでした。

2018年6月10日日曜日

インドでのインターンについて

さて、以前の記事にも書きましたが、7月よりインドの中古車関連のテック系ベンチャーでインターンをする事になりました。インターン先はDroom Technology Inc (https://droom.in/about) という中古車のC2C(B2C,B2B等も行う)マーケットプレイスを展開する企業です。

インドでインターンをするという方はまだあまり多くないと思いますが、折角なので、どのように出会ったか及び選考のプロセスを少しだけ紹介したいと思います。

1. なぜインド?
将来ファミリービジネスに戻った際に、インドは言語、市場、ITシステムのサプライヤーとしても非常に有望な国であると思っています

市場という観点から、人口の多さ及び今後自動車がより一層普及するにつれて、当然自動車アフターマーケットの需要も増えていきます。まだ先の話ですが、ファミリービジネスを海外展開させるといった時には、インドは進出先の一つであると思っています。

ITシステムのサプライヤーという点で、インドは多くの高度IT人材が揃っていると思います。MBAの同期に多くいるインド人もテクノロジーには強く、若いながらも日本語で聞いてもついていけないようなディスカッションが繰り広げられています(笑)人口の多さもさることながらITも強い人材が多く、英語が話せ、(日本と比べて)人件費が安いインドは、将来コラボレーションする一つの候補国であると思っています。


2. なぜDroom社?
元々自動車アフターマーケットや中古車市場に興味を持っていたので、こちらに関連する業界の成長性の高い企業でインターンをしようと思っていました。この業界自体はかなり古い業界ですので、面白いサービスを持っている企業はあまり多くなく、かなり限られた企業数の中から吟味をしていきました。

もちろん、シェアリングやコネクテッドカー等の今の自動車業界を根本から覆すような技術を持った会社は多くあります。しかしファミリービジネスの規模や業界を考えてみても、セカンダリーマーケットにフォーカスをした方が良いと考えていました。

あと、私のバックグラウンドも、テクノロジーは全くありませんので、最新テクノロジーを扱っているこれらの会社はかなりハードルが高かった事も事実です(これらの多くの会社は特にBusiness Analystをインターンとして採用していました)。そのような中で、インドを中心に探していたら、Droom社に行き当たりました。

因みに、一番最初にDroom社を知ったのは以下の記事によるものです。アントレプレナー感が溢れる良記事だと思うので、中古車業界に興味がない方も読んでみてください。


東洋経済オンライン:インドの中古車市場を「ゼロ」から創った男(https://toyokeizai.net/articles/-/130273


3. 選考プロセス
正面突破(つまり正規のルートでインターンを申し込む)は難しいと思っていたので、あらゆる伝手やLinkedin等を駆使しました。正面突破では、英語もまだまだで、インド市場のこともあまりわかっていない自分は、相対的にインド人の優秀層には敵わないと思っていたからです。偶然、日本の投資家もいましたので、そちらにアクセスしたり、インドの友達にも伝手がないか調べてもらいました。

できることは全て試した結果、、、結局Webサイトの"Contact Us"に送ったメールから返信が来ました。正面突破で討ち死にするかと思ったら、意外と受け入れてくれました(笑)2日後ぐらいにメール返信があり、その5日後ぐらいに面接を行い、面接翌日には採用がきまりました。

後日談ですが、Droom社は5月中旬に豊田通商等からSeries DのVC投資を受け、その中で、その資金を持って海外進出すると書かれていました(豊田通商プレスリリース)。僕が応募していた部署はまさに戦略及び海外進出を行うところだったので、タイミングと運が良かったようでした。



今回のインターンシップは、国も、業界も、会社も、人も、全てに興味があるので、非常に多くの学びがありそうで、今から楽しみにしています。インターンについてはまたこちらでレポートをしようと思います。

2018年5月13日日曜日

今学期(Mod4)の総括

すっかりブログの更新が止まってしまいましたが、1年生の最後の学期であるMod4が終わりました。Mod4の授業の総括をしたいと思います。

1. テクノロジー
基本的なテクノロジーの技術(データビジュアリゼーション、AI、ブロックチェーン等)とそれをどのようにビジネスに適用していくかという授業でした。ディスカッションとアクションラーニングが半々ぐらいあって、授業中にブロックチェーンのコア技術であるハッシュを動かしてみたり、テック系ベンチャー企業の新規ビジネスの提案のプレゼンがあったりしました。
授業の内容はそれほど難しいものではありませんでしたが、他の文系学生と比べてもテクノロジーに関する理解度はかなり浅いので、今後も勉強を続けて行こうと思います。


2. マクロ経済
経済の基本的な需要と供給(金融市場、生産・消費財市場、外国為替市場)の理解と、外的ショックを与えられたときに、これらの市場がどのように反応するかのレクチャー授業でした。基本的には、レクチャーですが最後に1ヵ国グループにわり与えられた国の分析及びそれのプレゼンがありました。最後の1ヵ国の分析は想像以上に学びがありましたが、レクチャーが長くて、途中かなり中だるみしてました。

3. リーディングイノベーション
組織内にどのようにイノベーションを起こすか、というテーマの授業でした。組織を小、中、大に分類し、有望な技術を持ったテックベンチャーが業界に入ってきたときに、どう対応するか等のディスカッションを行いました。最終レポートでは、ベンチャー企業がどのように大企業を駆逐したかの例を一つあげて、ビデオでプレゼンを行い提出しました。我々のグループはAirbnbを取り上げて、成長の過程やレギュレーション対応、既存のホテル業界にどのように対抗していったかの説明を行いました。
内容はおもしろかったのですが、理論をがっつり教えるという感じではないので、少し学びはぼんやりとしています。

4. コンサルティングプロジェクト
やはり今学期で一番面白かったのはこちらのコンサルプロジェクトであったかと思います。クライアントはアメリカの400億円程度の電子部品の流通業で、LEDを用いた新規ビジネスの考案がプロジェクト課題でした。僕自身はコンサルバックグラウンドなので、なんとなく進め方は理解していたつもりでしたが、やはり様々なバックグラウンド(文化、言語、職業等)の方々と一緒にプロジェクトを進めていくのはかなり違った大変さがありました。その分、学びや効用も高かったので、来学期も似たようなコンサルプロジェクトを取っていこうかと思っています。

かなりざっくりとしたまとめですが、今学期はこんな感じでした。夏休みは5月中旬から下旬は日本、6月はボストン、7, 8月はインドにいる予定です。夏にやる事はまた次回書きたいと思います。