2018年7月16日月曜日

インドインターン日誌①

インターンが始まって数日が経ちました。幸いお腹も壊さずやってます。

さて、早速インターン先は中古車のプラットフォームビジネスについて書いていきたいと思います。

以前のブログでも書きましたが、私が働いているDroomという会社は中古車のオンラインマーケットプレイスを運営しています。簡単に言うと、メルカリの中古車特化版のようなものです。

もちろん、そのマーケットプレイスには顧客が安心して中古車の売買ができるよう、色々な仕掛け(プロダクト・サービス)があります。メジャーなものから一つ一つ見ていきたいと思います。


1. Orange Book Value (OBV)
中古車の適正価格を調べるためのツールです。車種、製造年、走行距離等を入れると適正価格が出てきます。また車の各構成要素(エンジン、ブレーキ、ステアリング等)の 状態を入力すると、さらに正確な適正価格を知ることができます。これらは全て無料で利用できます。

また、さらに詳しい情報を有料で購入することもできます。それらの情報には、過去のそ売り手の情報、過去の売買成立価格、3年後までの予想償却額(3年間でどの程度価値が下がっていくか)等が含まれています。

アメリカではCargurusという会社が中古車の適正価格算定システムを提供しています。


2. Droom History
自動車の登録ナンバーを入力すると、自動車の過去の情報を閲覧できます。こちらも車の基本情報は無料で閲覧することができますが、多くの情報は有料となります。それぞれのレポートで閲覧できる情報は以下の通りです。

無料レポート
製造年、走行距離、洪水による損害歴等

有料レポート(ゴールド、150円程度)
無料レポート + 車の登録情報(エンジン情報等)、盗難歴及びその情報、担保情報等

有料レポート(プラチナ、500円程度)
ゴールドレポート + 過去の所有者の人数、現所有者の基本情報、(ローンがある場合には)ローンの商品名、保険の商品名等

アメリカではカーファックスという会社が同様の情報を提供しています。


3. ECO
車の購入者が、車を購入する前に購入予定の車の機能、外装、性能等を確認できる機能です。Droomと契約を結んだ独立請負人が、専用の機械を使って121箇所のチェック項目を10段階評価で確認し、そのレポートを購入予定者に送付します。OBVと連携して、ECOで得た情報を元に、市場の適正価格もわかります。

こちらもBasic reportとPremium reportの2種類があります。それぞれ900円、1,700円程度となっています。

Basic report(900円程度)
各セグメント(内装、外装、ホイール等)のスコア、車両の写真、主要な情報(事故歴、これまでの所有者の数等)

Premium report(1,700円程度)
全121チェック項目のスコア、故障部品を交換した際の追加費用、OBVと連携した市場の適正価格等


4. Droom Credit
中古車ローンの購入システムです。オンラインで全てが完結するシステムで、ローン獲得に必要な基本情報を入力後、30秒で審査が下るというものです。

Droom自体が金融商品を持っているわけではなく、各金融機関の商品から最も最適なものを選択できるというものです。

特徴①シームレスなローン購入
Droom creditでは車の選択→ローンの選択→ローンの実行をシームレスに一つのプラットフォームで行うことができるというところです。通常、車の選択、ローンの選択、ローンの実行は、それぞれ別のウェブサイトで行います。中古車オンラインウェブサイトで車の選択をした後に、金融機関のウェブサイトでローンの選択を行い、ローン実行という流れです。
Droom creditは、これらを全て一つのプラットフォームで行えるので、車の情報が瞬時にローン選択に反映され、ローン実行に繋がります。これらの3つのプロセスを一つのプラットフォームでシームレスに行えることが、特徴の一つです。

特徴②ペーパーレス
ローンの実行も、紙の書類のやりとりは一切なく、e-Signature(電子署名)で行われます。パソコンの画面上に、サイン画面が出てきて、そこにサインをすれば、貸し手と借り手の契約が締結されます。アメリカではe-Signatureは銀行や不動産の取引でも割と普通ですが、日本ではまだあまり普及していないかと思っています。


5. Droom Discovery
ウェブサイトに掲載されている車の検索サイトです。金額や車種から選べることができるのはもちろん、専門家のレビュー等からの検索もできます。また所有の車の燃費の検索や、教習所情報、DIYに関する情報、自動車関連ニュースも載せています。


以上が、Droomのエコシステムサービスというものです。エコシステムという名が付いている通り、これらのサービスはお互いの長所・短所を補完しあって、5つのサービスラインが揃って初めて一つのサービスが提供できています。

エコシステムとセクシーな言葉がついていますが、もっとわかりやすい言葉で言えば、顧客のニーズに基づいたワンストップサービス/トータルソリューションサービスといったところです。

話は少し変わりますが、以前に働いていた香港の会社も日系企業の海外進出支援を行っており、最初のサービスは会計代行・監査のサービスだけでした。

しかし、お客さんに接していく中で、会計だけでは香港に進出してきた企業の全てのニーズを満たすことができないということがわかってきます。そこで、ビザを含めた労務、M&A、弁護士事務所との提携等と業務を拡大していき、香港進出をトータルでサポートするコンサルティング会社になりました。私が勤めていたPwCをはじめとしたBig 4系のコンサルティング会社も同様の変遷ではないでしょうか。

Droomの場合も同様に、最初はシンプルなソリューションから始まりました。そこから、中古車売買の各プレーヤーのニーズを満たすために、様々なサービスが追加されていきました。

私見ですが、Droomの場合、創業当初より中古車売買に関するエコシステム/トータルソリューションを提供するというビジョンがある程度確固なものとしてあったかと思います。それが、各サービスの展開の速さと、会社の成長速度に現れているかと思います。

上記の各サービスのスタート時期は以下の通りです。

2016年3月:ECO
2016年8月:OBV
2016年12月:Droom History
2017年4月:Droom Credit
2017年10月:Droom Discovery

わずか1年7ヶ月の間にこれらのサービスを次々とローンチして、エコシステム/トータルソリューションを提供できているのは、当初よりある程度アイデアがなければできなかったことかと思っています。

そして、2018年5月に豊田通商をはじめとしたVC連合から出資を受け、いよいよこれらのソリューションを海外に展開していこうというフェーズです。

長くなりました。次回はデータの収集方法や海外展開、また一つ一つのプロダクトのより深い理解を業務中には行っているので、その辺りについて書ければと思います。あとインドの生活や観光も書いていきたいと思います。

オフィスの入り口。おばあちゃんの家の入り口のようです。


建物古いです。今年綺麗なところに引っ越すようです。


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